高速バス

29日に起こった大変大きな高速バスの事故を始め、この短期間の間に、千葉・館山で子供を巻き込んだ事故、京都・祇園で暴走して多数を巻き込んだ事故、京都・亀山で子供と保護者を巻き込んだ事故と、こんな事が起こっていいの?と目を疑う痛ましい事故ばかり起きています。

 

子供を持つ親としては、館山・亀山で起きた事故はいたたまれません。

 

それにしても高速バスの事故に関しては、お客様を乗せる事のできる免許を持ったプロで、絶対あってはならない事ではないでしょうか?

 

私がこの店を出す前に務めていた会社では、バス会社様に対する仕事をしていたため、この際なので以前から思っていた事を書きます。

 

今回事故を起こしたバスは、「高速バス」ではなく「ツアーバス」です。

 

その違いは何か? 

「高速バス」は鉄道と同じように都市の間の移動手段として国土交通省から認められた「運輸機関」であり、運行面や安全面のさまざまな条件をクリアした会社にしか与えられない許可を得て運行されております。

一方「ツアーバス」は「旅行業」であり、バス会社は旅行会社の指示で走っているだけです。旅行業者から見ればバスは旅行の食事や観光地と同じ手配先のひとつなので、乱暴な言い方をすれば安ければどんなバス会社でもいい、と言わざるを得ないでしょう。

 

「ツアーバス」はバスに乗り、観光地をめぐり、おいしい物を食べ、楽しい思いを乗客に提供していれば非常に良い形態でしたが、観光地を抜き、食事を抜き、移動手段だけにしたとたん、さまざまな問題が起こりました。

乗車場所も、長時間路上駐車したバスが何台も連なり歩道を乗客が右往左往する問題も過去には発生しています。

一番の問題は、交代乗務員がいない、誰にも見られていないから連続乗務をしてしまう、などの安全運行に関わる問題です。

 

バスを移動手段に使う所だけはいっしょですが、これらがごっちゃにされて、使う側から見れば自分の乗るのは「高速バス」?「ツアーバス」?と言う事すらわかりづらいのが現状です。

 

私はこの「高速バス」もどきの「ツアーバス」と言う形態が出て来た時から、方や「運輸業」方や「旅行業」と言う土俵の違う所で全く同じような形態の輸送が存在する事はおかしい、と言っておりました。

 

飛行機のLCCは同じ許可条件の中で、企業努力によるコスト削減を行っていますが、「ツアーバス」は旅行業者(ツアー会社)からの依頼でバス事業者が決められた認可運賃ももらえずたたかれて安くなっているだけです。

 

結局は勢いのある「ツアーバス」に押され、ロクな対応ができなかった国交省にも問題はあると思います。

 

後は利用者が自分で正しい選択をするしかなく、「ツアーバス」は観光をするための手段として使い、移動手段として使うなら「高速バス」を使う事を覚えて下さい。

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    高木宏昌 (金曜日, 04 5月 2012 22:41)

    ご無沙汰しております。

    今回の事故、業界人としてとても残念に思うと同時に、あぁやっぱり起きたな…とも思っております。
    次々ととんでもない管理実態が明らかになりますが、ある意味業界では公然の秘密ですよね。国交省の罪は本当に深いと思います。

    …って、すみません。次は明るい話題でコメントを書きます!
    またおにぎり食べたいなぁ…

  • #2

    katsu3 (土曜日, 05 5月 2012)

    すいません、今回ばかりは今まで自分の中に溜まっていた物を爆発させたくなるような惨事です。

    ああ言う事故が次から次へと起こると、子供を持つ親としては余計に心配になります。

    起きてから対策を打つのではなく、いすみ鉄道社長の鳥塚さんが航空会社時代に当たり前であった、
    「CONTINGENCYという考え方」http://isumi.rail.shop-pro.jp/?day=20120412
    を実践してもらいたいです。

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